ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎

伊坂幸太郎氏の著作を読むのは本作が始めてで、著者のスタイル等先入観無しで読んだ訳ですが、印象は大小さまざまな伏線を張り巡らせてきっちり回収することで物語を作っていくというものでした。

第一章、二章と事件の概要を描き、三章で黒幕まで明かした状態で四章に入る訳ですが、過去と現在の話を織り交ぜ伏線を張り回収していくので隙というか無駄がない。

四章のクライマックスから物語的には有り得ない終わらせ方をして、五章で救われる。上手いなあと…。

読了後気になったことを確認する為にまた20年後が描かれている三章を読み直す。そこで初めて気付かされる事実にびっくりした。事前に読んでいたはずの三章が全く異なる印象を抱くことができるのだから、よくできてるなあと。
自分の中では三章を独白しているのは二人のうちどちらかと思っていたが、ここでも伏線が張り巡らされていて一人に絞ることができ、納得しました。「森の声」と「若者の声」ですね。

ゴールデンスランバー

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