鴨川ホルモー/万城目学
万城目学氏の著作は「鹿男あをによし」を既に読了していて、今回処女作を読んだ訳ですが、日常の風景に、ちょっと有り得ないがひょっとしてあるかもしれないと思わせるフィクションを織り交ぜて、エンターティメントに消化させるのが上手いなあというのが、私の万城目学評です。
ホルモーの全貌が判るまで実に100ページを費やす訳ですが、別にホルモー自体に期待していたわけじゃないので青春小説として楽しめました。人によってはスピード感に欠けると感じるかもしれませんが、なんだか時間軸が大学生のようにゆったりしていて良いじゃないですか。
それで本題のホルモーですが、まるで銀河英雄伝説を読んだかの様な描写、また私はアニメ版の銀河英雄伝説も観ていたので、文章を読みながら映像を再生しているかの錯覚を覚えるくらい堪能しました。艦隊戦と式神でやっていることはほぼ同じ、しかもこれ以上無駄がない説明でさらりと書かれていることに感動しました。
少なくとも私には楠木さんは孔明ではなくヤン・ウェンリーだなと思った次第です。
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